機能性構音障害とは?
機能性構音障害とは構音障害の種類の1つです。
「きのうせいこうおんしょうがい」と読みます。
「構音」とは発音や滑舌に関する医学用語です。
「構音障害」とは文字通り構音が障害されているわけですが、
機能性構音障害とは原因となるはっきりとした疾患がないにも関わらず、発音や滑舌に困難さがある状態のことです。
機能性構音障害の解説
障害により発音が阻害される原因はいろいろありますが、
オーソドックスなものでは
脳神経によるものと
口腔形成によるもの
があるでしょう。
前者は脳卒中などの後遺症、
後者は口蓋裂などが該当します。
また、難聴なども自分の声をうまく聞き取ることができないので発音が阻害される場合があります。
こういった具体的な疾患がなく、ただ発音がうまくできない状態が機能性構音障害です。
機能性構音障害はあくまで適齢期になっても明らかにその音の発音ができない状態を言います。
そのため、
一般的な発達として、発音ができなくて当たり前の時期は機能性構音障害とは言いません。
また音の詰まりがある「吃音」とも区別されます。
機能性構音障害の実際
「明確な疾患がない」ということである意味で機能性構音障害は「原因不明」の構音障害ととれなくもありません。
そう考えると不安になることもあるでしょう。
しかし別の考え方をすると、
機能性構音障害は発音を阻害する明確な疾患がないので、適切な練習の下で最も改善しやすい構音障害です。
実際のところ「ことばの相談」にくる発音の相談は機能性構音障害の事例が多く、言語聴覚士の指導の下で発音が治るお子さんも多いです。
おわりに
一般的に機能性構音障害のトレーニングは幼児期が適齢期とされています。
学童期になると誤った音の発音が癖づいて、なかなか改善に時間を要します。
しかしながら発達には個人差があるので一概には言えません。
学童期になって発音を改善したいと思うお子さんや家庭も少なくはないので、「小学生だから遅いかな」とあきらめず、まずは医療機関やことばの教室に相談してみるほうがよいでしょう。
価値観は人それぞれですが、個人的には
発達相談や療育はやった後悔よりやらなかった後悔のほうが大きいのかなと思います。