構音障害

子供の発音(滑舌)が気になるときはどうしたらいいのかな?

子供の発音が気になる

「さかな(魚)」が「ちゃかな」
「かめ(亀)」が「ため」

幼い頃の発音はかわいいものですが、
それが長く続くと親としては心配になるものですね。

子供の発音が気になるとき、
親はどのように考えたらよいのでしょうか。

子供の発音は、保育園の年長さん前後に出揃うのが一般的です。

また子供さんが発音でつまずきやすい音は、
「かきくけこ」や「さしすせそ」が多いです。

個人差はありますが、
カ行の音よりサ行の音のほうが発音は難しいとされます。

そのため大雑把には
保育園の年中さん(5歳頃)で
「さしすせそ」の音が出ているかが
子供の発音を見てあげるときの1つの目安になります。


5歳頃でもサ行やカ行の音がまったく出ていない場合は、
専門家に相談してみてもいいかもしれません。

子供の発音の原因

発音は医学的・言語学的には「構音(こうおん)」と言ったりします。

そして滑舌に問題がある状況を「構音障害」と言ったりします。
「障害」と言うと仰々しい気もしますが。

構音障害の原因はいろいろあります。

例えば口の形成的に問題がある場合です。
口の中に亀裂がある「口蓋裂(こうがいれつ)」などです。

あるいは、難聴によりそもそも正しい音を学ぶことができない場合。
こういった場合も発音に影響が出ることがあります。

そして、
口の形成や聴力に問題がないのに、なぜか発音がうまくできていない。
要するに「発音が苦手」なパターンですね。

このように、
特に疾患はなく明確な理由はないけれど、発音が苦手。
こういった状況を「機能性構音障害(きのうせいこうおんしょうがい)」と言います。


幼児期のお子さんの発音が気になる場合、
この機能性構音障害が該当することが多いです。

先ほど書いた口蓋裂や難聴など、
疾患に伴う構音障害の場合はその疾患を改善しないと発音の劇的な改善は難しいです。

一方で、
機能性構音障害は正しい練習を積むことで改善の幅が比較的大きいのが特徴です。

発音の練習の仕方

専門家による子供の発音の練習は、
言語聴覚士が行うことが一般的です。

先ほど書いた通り、
子供の発音は年長さんくらいでおおむね完成します。

そのため、
発音の練習は年中さん前後の時期から始めることが多いです。

頻度としては週に1回1時間程度の指導が望ましいでしょう。

発音の練習は早すぎても遅すぎても、
多すぎても少なすぎても十分な効果が得られません。

子供の発音練習は、この見極めが非常に重要です。

発音の練習はお子さんの状況や性格に合わせて調整します。
そのため細かい内容はここでは割愛しますが、大きくは

  • 耳の練習(正しい音を聞き取る練習)
  • 口の体操(基本となる口の動きの練習)
  • 発音の練習(その音を実際に出す練習)
  • 応用練習(文章などでスムーズに言えるための実践練習)

といった内容が基本になります。

ポイントとしては、
発音できない音をただひたすら言わせるのではないとうことです。

そもそも正解がわからないと発音できませんから、
正しい音を聞き取る「耳の練習」をはさみます。

そして発音するとは口の中で空気の流れをコントロールするということです。

ただやみくもに発音するのではなく、
練習する音に合わせて舌や唇の基礎練習を行います。

おわりに

4歳頃になってもカ行がまったく出ない。
5歳頃になってもサ行がまったく出ない。

こういった場合は一度専門家に発音の状況をみてもらってもいいかもしれません。

それ以外の状況でも、
子供のことで気になることがあるときは、
なんでも早めに相談したほうがいいでしょう。

子育てにおいておそらく一番いけないのは、
一人で悩んでしまうことだと思います。


ちなみに、
「子供がうまく発音できていない場合、それを指摘していいものなのか?」
といった疑問をよく聞きます。

指摘しないと発音が改善されない気もするし、
指摘しすぎると子供がストレスを感じてしまうのではということでしょう。

お子さんにもよりますが、
その音をお子さんがまったく出せないのなら、指摘はしなくていいと思います。

出せない音を指摘されても、「出ないものは出ない」でお子さんが嫌になるだけだからです。

反対に、
専門的な練習をある程度積んで、音がで始めた頃なら少しは指摘してもいかもしれません。

いずれにせよ大前提になるのが、
子供が話すことを億劫に感じないようにしましょう。

発音がうまくできない。
だからしゃべらない。
しゃべらないから上達しない。

という悪循環だけは避けましょう。

どんな発音であっても、
子供が気軽に話せて「話すことが楽しい」と感じることが一番だからです。

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