構音障害

子供が「さしすせそ」を言えないとき|言語聴覚士の発達相談

子供がサ行の音を言えないとき

「さかな(魚)」が「ちゃかな」になるなど、
お子さんがサ行の音(さしすせそ)を言えないとき。

お子さんがサ行の音をうまく発音できない場合、

4~5歳頃までは経過観察になる場合が多いです。

そして5歳頃に改善の兆候が見られない場合は、専門家と相談しながら練習の開始時期を検討していきます。

「さしすせそ」を言えない原因

例えば口腔の形成不全難聴など先天的な疾患がある場合、正しい発音が阻害されることがあります。

そういった基礎疾患がない場合でも、

舌の動かし方が不器用でサ行の音がうまく出せないことがあります。

サ行の音は舌先の繊細なコントロールが必要な音です。

子供達は日本語に必要な音を徐々に言えるようになっていきますが、

サ行を言えるようになるのは比較的あとのほうです。

医師や専門家から見て自然に改善する兆候が乏しい場合、発音トレーニングを行うことがあります。

発音は医学的に「構音(こうおん)」と言われ、
発音の練習は医療現場では「構音訓練」と言われます。

サ行の構音訓練

サ行の音に限らず、構音訓練では口の運動だけでなく、聞く練習も行います。

正しい音を聞き取れなければ、いくら発音する練習をしても効果が得られません。

構音訓練は「口の練習」と「耳の練習」を行います。

そしてサ行の音に関しては舌先の動きを中心に行います。

舌先と前の歯で隙間を作り、そこから空気を出す口腔運動を細かいステップに分けて練習していきます。

おわりに

構音訓練を行う場合、並行して言葉の発達を簡易的に見ることが多いです。

お子さんの発達状況によって、練習の内容やペースが変わってくるからです。

例えば発音だけでなく知的障害や言語発達遅滞、自閉症スペクトラム障害など別の診断がある場合、まずは言葉の発達を底上げする必要があります。

これは診断がついていなくても、上記のような傾向が淡く見られるいわゆる「グレーゾーン」のお子さんも含みます。

構音訓練はある程度の言語発達の上に成り立つものなので、始める時期が早ければ早いほどいいというわけではありません。

まずは前提となる言葉の発達を促した上で、構音訓練に移行していきます。

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