ことばの教室ではどんな相談ができるの?
一口に「子供の発達」と言っても、その内容は様々です。
例えば「言葉の遅れ」も「語彙の遅れ」なのか「発音の遅れ」なのかで意味合いもすることも違ってきます。
そのため、
子供の発達のことが気になるけれど、じゃあ具体的にどんな角度から相談すればいいかわからないという親御さんは少なくありません。
言語聴覚士はお子さん達の言葉の発達をみる専門家ですが、
そんな言語聴覚士が扱うお子さんの発達に関わる分野をリストアップしてみます。
ことばの教室の言語聴覚士に相談できること
発音が気になる(構音障害)
発音のことを医学的には「構音(こうおん)」と言います。
「さかな(魚)」が「ちゃかな」になるなど、
発音がうまくできないお子さんの評価やトレーニングを行うのが構音訓練です。
言葉が吃る(吃音)
発音はできているけれど、言葉が詰まる。
「お、お、おやつ食べる」などのように吃ってしまう。
言葉が詰まる・吃ることを「吃音(きつおん)」と言います。
吃音は現代医学でも不明な点が多く、治療方法が確立されていない分野の1つですが、
適切な心理的ケアや知識を学ぶことで、吃音の状態を軽減させたり悪化しないようにすることができます。
吃音の臨床現場では、こういった心理的ケアや当事者への医学的情報提供を行います。
コミュニケーションが気になる(自閉症スペクトラム障害)
近年よく耳にする「発達障害」という言葉。
中でも「自閉症」や「アスペルガー障害」といった言葉はメディアでもよく取り上げられますね。
言葉の知識や知能とはまたちょっと印象が違う、コミュニケーションの障害を「自閉症スペクトラム障害(ASD)」と言ったりします。
例えば「視線が合わない」や「人の気持ちや場の状況を察することが苦手」といった症状が当てはまります。
ASDのお子さんに関してはコミュニケーションに関わる言葉をメインとした支援を行います。
また、社会生活・集団行動を営む力を養うためにソーシャルスキルトレーニングを行うこともあります。
落ち着きがない・集中力がない(ADHD)
落ち着きがない、集中力がない。
こういった状況が明らかに個性の範囲を超えている。
そういった状況をADHD(注意欠陥多動性障害)と言ったりします。
ADHDのお子さんに関しては、集中できる環境や切り替えを促すためのテクニックなど方法論を考えていきます。
読み書きが気になる(学習障害)
会話や知識としての言葉の遅れは取り立てて見られないのに、文字を読んだり書いたりあるいは数字を計算したりすることが極端に苦手。
そういった読み書きに関わる苦手さも「学習障害(LD)」として世間に認知されつつあります。
学習障害に関しても、例えば白黒の文字が苦手なら適宜色やフォントを変えてみるなど方法論を検討していきます。
食べることや飲むこと(摂食嚥下障害)
食べることや飲むことを医学的には「摂食嚥下(せっしょくえんげ)」と言います。
言語聴覚士は言葉の専門家ですが、言葉を話すためには口の動きが必要です。
言語聴覚士は口腔器官の医学的知識もあることから、 食べることや飲むことの訓練も対象になることが多いです。
言葉の全体的な遅れ(言語発達遅滞)
上記のような特定の分野に該当しない、全体的な言葉の遅れを「言語発達遅滞(げんごはったつちたい)」と言ったりします。
知的な遅れによる言葉の遅れもここに含まれます。
そのお子さんに合った、全般的な言葉のトレーニングを行います。
おわりに
発達はその分野により対応は多岐にわたりますが、その子にどういった支援をするかの選択のお手伝いも言語聴覚士の仕事になります。
子供の発達について気になる場合はお気軽にご相談を。