言語聴覚士(ST)の分野
言語聴覚士(ST)は言葉のリハビリの専門家けです。
その分野は大きくは「成人」と「小児」に分かれます。
文字通り大人を対象にリハビリを行う「成人」と、
子供の対象にしたリハビリを行う「小児」です。
そして一口に小児分野と言っても、対象となる疾患は複数あります。
以下で、小児分野のSTが扱う主な疾患を挙げていきます。
言語聴覚士(ST)が対象とする疾患
自閉症スペクトラム障害(ASD)
「小児の言語聴覚士」において主要な分野の1つです。
「自閉症スペクトラム障害」というのは比較的新しい名称です。
旧来の「自閉症」や「アスペルガー障害」など複数の障害を統合した名称になります。
構音障害
ASDと並んで小児分野の言語聴覚士における主要な分野の1つと言えます。
特に機能性構音障害に関しては個人差はありますが俗には「治る障害」とも言われるほど他の疾患に比して改善の幅が広い疾患です。
脳性麻痺
脳性麻痺をはじめとした、「重症心身障害」も小児STの対象です。
重症心身障害 、俗に「重心」と呼ばれる分野です。
脳性麻痺に関しては小児STは「子供」だけでなく「子供だった人(つまり大人)」をみることも多いです。
ダウン症
遺伝子疾患の中では比較的ケースとしても多いダウン症。
言語訓練や食事訓練を行います。
知的障害、言語発達遅滞
特定の疾患ではなく、知的障害に伴う言葉の遅れ。
あるいは、知的障害と診断がついていなくて、上記疾患にも該当しない言葉の遅れはしばしば「言語発達遅滞」と診断されることもあります。
言語聴覚士(ST)が対象とする療育
以上のような疾患・診断のあるお子さんに対して、
言語聴覚士は言葉や聞こえ、コミュニケーション、食事の指導や訓練を行います。
言語聴覚士は言葉のリハビリ職ですから、
口腔の医学的知識を持っています。
言語聴覚士が言葉のリハビリだけでなく、
食べることのリハビリのも関わるのはそのためです。
おわりに
実際の療育現場ではこれらが重複したお子さんもいますし、
上記以外の疾患のお子さんもいます。
いずれにせよ広く見れば、
言語聴覚士は言葉やコミュニケーション、食事について困っている人を支える仕事と言えます。