指さしとは?
指をさす、相手の指さしを見るという行為は、お子さんの発達における大切な指標の1つです。
指をさしたり、相手が指をさした方向を見たりする行為は、他者という存在を意識してこそできる行為です。
言葉を話したり、誰かとコミュニケーションをとる上でも、他者の存在を意識するということは欠かせません。
指さしは言葉やコミュニケーションの発達の入り口とも言えます。
指さしにはその機能や意図によりいくつかの種類があります。
- 要求の指さし
- 叙述の指さし
- 応答の指さし
といったものがあります。専門的に細かく見るともっと種類はあるのですが、ひとまずこれらについて見ていきたいと思います。
指さしの種類
要求の指さし
例えば棚の上にお菓子があって、欲しいけれど子供の手が届かない。
こういったときにお菓子を指さし、取ってほしいという意図を伝える。
これが要求の指さしです。
3つの指さしの中では要求の指さしが最も初歩というか簡単なものになります。
叙述の指さし
「叙述」は「じょじゅつ」と読みます。
例えば親子で散歩をしていて、道に猫がいて、それを指さしたとします。
「あ、猫がいるよお母さん」といった意図である場合、これが叙述の指さしになります。
叙述の指さしは、他者と情報を共有・共感したいという表れの指さしです。
要求の指さしよりやや難しい指さしになります。
応答の指さし
相手の質問に対して指さしを用いて答えることができるのが、応答の指さしです。
3つの指さしの中では最も相互性が必要で、難しい指さしになります。
例えば絵本を親子で見ていて、お母さんが「猫の絵はどれかなぁ?」と聞いたときに、絵本の中の猫の絵を指さすといった行為が応答の指さしになります。
諸説ありますが、応答の指さしが指さしの発達における最終段階と位置付けられることも多いです。
応答の指さしを行うには、相手の質問を聞いてそれに答える相互性が必要です。
これはコミュニケーションの基礎であり、言葉の発達に関係する要素と言えます。