PECSとは?
PECSとは障害児者へのアプローチ方法の1つです。
「Picture Exchange Communication System」の頭文字を取って「PECS」であり、
「ぺクス」と読みます。
PECSは絵カードを活用したコミュニケーション方法の1つです。
PECSの意義
コミュニケーションの基本は言葉による会話ですが、
発達障害児のお子さんの場合、
言葉はうまく出ない、
他者と視線が合わないなど
言語・コミュニケーション面に課題がある場合があります。
特に言葉がほとんど出ていない場合、他者と意思疎通が難しいため本人自身もフラストレーションが溜まることがあります。
目に見えない音声というコミュニケーションに固執せず、
まずは絵カードという目に見えるわかりやすい物を使って相互的なコミュニケーションを学んでいこうとするのがPECSです。
PECSの実際
実際のPECSはリングファイルにマジックテープを貼り、そこに絵カードを貼っていく形式で自分の伝えたいことを文章化していきます。
初めは「~ちょうだい」といった要求の類から始まり、徐々に複雑なものへと移行していきます。
PECSはファイルに絵カードを貼っていく形式自体も独特ですが、
最もPECSが特徴的な点は、応用行動分析学に基づきやり方が非常に細かくマニュアル化している点です。
応用行動分析学とは心理学の一種です。
個人差が大きい発達障害において、手続きがここまでマニュアル化されている手技は比較的珍しいのではないかと思います。
そのため、PECSを実際に行う場合は講習会の受講などが原則となっています。
おわりに
子供の言葉と相互性を促すとされるPECSですが、
療育でPECSを行うかどうかはやはり状況を見ての判断が必要です。
PECSを行うということは、その厳密な手技を家庭や学校でも行わないといけない可能性があるので、導入する際はそのあたりの覚悟というか検討が必要になってきます。