療育用語解説

吃音とは?|発達障害児の療育 言語聴覚士(ST)の解説

吃音とは?

吃音とは言葉を滑らかに出すことができない症状のことです。

吃音独特の言葉の詰まりを一昔前は「吃る(どもる)」「吃り」とも言ったりしましたが、近年は差別的とも考えられあまり使われない表現になりつつあります。

吃音の解説

吃音の症状は多数ありますが、主には

  • 音の繰り返し(こ、こ、こんにちは)
  • 引き伸ばし(こーーんにちは)
  • ブロック(こ・・・・・んにちは)

などがあります。

このほか、言葉を出そうとして体の動きが伴ってしまう「随伴症状」や、言葉が詰まるのが怖くて特定の言葉を避けてしまう「回避」なども吃音症状の1つです。

吃音のメカニズムの詳細は不明ですが、発症の背景にはその子の体質というか遺伝的要素が関係していると考えられています。

子供が吃音だからといって親の育て方に責任があるわけではありません。

吃音の実際

発達健診や療育現場の「ことばの相談」全体から見ると、吃音のお子さんは確かにいますが割合としてはそこまで多くない印象です。

相談場所にもよるのでしょうが、やはり言語発達遅滞や自閉症スペクトラム障害(ASD)、構音障害などがことばの相談の多数を占めている印象です。

一方で、吃音というもの自体は映画やドキュメンタリーなどメディアに取り上げられる機会が多い印象を受けます。

そのため周りに吃音の人がいなくても、テレビなどを通して吃音というものを知っている人も多いでしょう。

吃音の治療方法は確立されていません。

そのため吃音の支援には本人や家族・周囲の人々の理解が欠かせません。

本人の理解の仕方や受け止め方も含め、
吃音はその症状に対する対応の仕方が大切になってきます。

おわりに

吃音は何か特別な方法で完璧に治るといった類の症状ではありません。

そのため、

吃音で大事なのは症状を軽い状態にキープすることと、2次障害を防ぐことです。

専門家に適切な吃音の対応方法を確認しながら、周囲と協力して

「吃音を負担に感じず話せる環境」を作っていきます。

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