療育用語解説

発達障害とは?|発達障害児の療育 言語聴覚士(ST)の解説

発達障害とは?

発達障害とは文字通り「発達」に「障害」がある状態のことです。

一昔前は「障害」というと「知的障害」や「身体障害」といった名称が一般的だったと思います。

しかし近年はこれらの名称では説明ができない、自閉症など概念も社会的に認知されてきました。

「発達障害」はそういったコミュニケーション面の障害も含めた、広い視野で障害を捉えます。

発達障害の定義の解説

「発達障害」は一般的には
・自閉症
・アスペルガー症候群
・ADHD(注意欠陥多動性障害)
・LD(学習障害)


と、その他の広汎性発達障害や
これに類する脳機能障害を総合して「発達障害」と呼びます。

近年は自閉症やアスペルガー症候群は総じて自閉症スペクトラム障害(ASD)などと言われたりもします。

発達障害の定義や分類に関しては、国の制度の話なのか医学的な話なのか、どの文献なのかで微妙に解釈が異なります。

場合によっては知的障害やダウン症、吃音といった疾患も発達障害に含まれます。

いずれにせよ、

発達障害は一括りに知的な障害とするのではなく(知的障害を伴うこともあるしないこともあるので)、様々な特性があるということを念頭に置く必要があります。

発達障害の実際

このように「発達障害」という言葉は非常に範囲が広い言葉です。

そのため医療機関での診断で「発達障害」という言葉だけが単独でつくことはほぼありません。

「自閉症スペクトラム障害」や「言語発達遅滞」、「ADHD」などなど、

その子の特性に合わせた診断に至るでしょう。

また発達障害はその有無を数値などではっきりと診断できるわけではありません。

知能検査や自閉症スペクトラム障害を想定した検査は複数存在しますがあくまで目安であり、

発達障害の診断は最終的にはその子の背景をよく把握した上で医師が行います。

おわりに

非常に定義の範囲が広い「発達障害」ですが、

現場で「発達障害」というと自閉症スペクトラム障害などをはじめとしたコミュニケーション障害の文脈を感じます。

これはやはり「発達障害」という言葉に知的障害や身体障害では説明できない障害特性を含んでいるがゆえかなと思います。

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